2020年1月8日

砂時計の砂

月曜の仕事終わり。
早上がりだった旦那さんが、
駅まで迎えに来てくれた。
月曜は大体いつも、こういう感じ。

翌日の火曜日が、夫婦揃っての
公休日なので、月曜は決まって、
王将や回転寿司やラーメン屋で、
ささやかな外食をするという
流れだった。

ところが異変が起きる。
いつもなら、何を食べようかと
2人で賑やかに話すところだが、
車が走り出して数分後。
突然体の内側から押される感覚。

「気持ち悪い」
「えっ、吐きそうなの?」
「気持ち悪い」

それしか答えられず、手足の痺れ、
呼吸がはやくなり、体が強張って
動けなくなった。

少しすると多少動けるが、
手足は冷たく、痺れは直らず、
気持ち悪さと目眩は続く。

旦那さんは、昼食はとらずに
待っていてくれたのもあり、
何とか食事して欲しくて
そのまま行ってとは言ったものの、
旦那さんはそれどころではない。

「家に戻ろう」
そう言って、車を走らせた。

車に乗っていて、こんなことになるのは
初めてだった。

実は職場でも似たようなことが、
ちょくちょく起きてはいた。
転職してからずっと。
血圧の急低下が時間を問わずやってきて、
その都度、しゃがんで凌ぐ。

症状はそこまで重くなかったから、
何とか職場に迷惑を掛けずに済んでいた。
ただ、家に帰ると再び症状が起こるので、
その時は大人しく動かずに、体は横にして
耐えるような日常を繰り返していた。

そして、旦那さんの目の前でこれだ。
こんなことは初めて。
車から降りるのも一苦労。
ようやっとアパートに着いたら、
そのまま座り込んで動けなかった。

やっとコートやら色々脱いでも、
息も絶え絶えで、コタツでダウン。

ただ救いなのは、意識があること。
意識を保てるよう意識して、
浅くしか吸えない息も、
過呼吸にならないよう必死だった。

何とか最悪は回避。
病院へ駆け込むようなことにはならずに、
1日をやり過ごすことが出来た。

翌日の火曜日も、ろくに動けず。
最低限の家事だけで、後は
横になって過ごす。

本当は、年賀状をくれた方々へ、
喪中の為、寒中見舞いを出す
予定だったのだけど、全身の痛みと
目眩とで、それどころでなく……。

ちなみに。
精密検査はとうに何度か受けている。
持病は除き、色々とバランスを
崩している以外は、どこもわるくない。

本当に、この体はどうなるんだか。
今日から仕事。
また、仮面を被って過ごす。

ただ、いつまで続くかもう判らない。

血圧低下は、恐ろしい。
心肺停止の一歩手前まで、幾度か
足を踏み入れているから。
なんでそうなるのか。

それでもまだ生きている。
だから今日も、迷惑を掛けないよう
頑張るしかない。