2017年9月23日

抜けるような青空の下で

すばる君をお空へかえして、明日で丁度一週間。
 15年5カ月という月日が、思い出す度に小さなため息へと変わってしまう。

 昨年の6月、ひなちゃんを見送った後にすばる君は少しノイローゼ気味になった。
 飼い主の私も、ペットロスでかなりガクンと来たものだけど、
仕事が大変だったこともあり、意識を仕事に向ける事で何とか保っていた。

 それでも、このままではすばる君がご飯も食べなくなって死んでしまう!と思って、
 ネモ君のお陰で、すばる君には仲間が出来た。

ちっちゃくて暴れん坊のネモ君に、どんなに飛びかかられても噛みつかれても、
 唸りはするものの、背中に乗せたままじっと我慢して相手をしてあげていた。
 傍に寄り添って眠ったりもした。


 今まで我が家に居た子達には、正直すばる君は嫌われていたから(苦笑)、
 初めて、遊ぶ相手認識とはいえ、傍に居てくれる仲間が出来たのだ。
 途中から、すっかり体格は追い抜かれちゃったけどね。


 ネモ君のご飯を見て、今までずっとカリカリ派だったのに缶詰派になっていた。
 ネモ君のお陰で、初めて紐で遊んだり、人間と遊ぶ事を楽しむ事もあった。
 歴代の我が家の子達はみんな、ベランダで過ごす時間を楽しんでいたけど、
すばる君は今まで一歩も出た事が無かった。
けれど、ネモ君が楽しそうに風の香りを嗅いで寝転がっているから、
初めてベランダで外の風を感じる事が出来た。
 ご飯の時以外で人の傍に来る事は滅多になかったすばる君だけど、
 ネモ君のお陰でいつの間にか傍に来る事が多くなっていた。

 ようやくやっと家猫らしくなったのに。
 彼の体は病魔に侵されていた。

 越せないと思った春を越え、もう無理かもと思った夏を越えて。
 初秋の9月17日の日曜日、午前8時過ぎに力尽きました。

私が、仕事の旦那さんを駅まで車で送って帰って来た後、
家事をやっていた間の出来事でした。 
平日じゃなくて良かった。
休みで、私が家に居る時で本当に良かった。

仕事に行く時、仕事中いつも、帰った時には既に逝ってしまっているかもしれない、
そんな気持ちを抱えたままの日々だったから。
私が家に居る時で良かった。
終始泣きながら、すばる君に話しかけながら、色々汚れた部分の後始末をして、
体も綺麗にしてあげて、旦那さんにメールも入れて、ただただ泣きました。 


これは夢か幻か。お葬式の時の不思議体験。 
お坊様が読経をされている時のこと。
昨年旅だったひなちゃんが来て、じっと冷たくなったすばる君を見てる。
着物を着て人の姿をしていたけれど、あぁ、これはひなちゃんだって思ったんです。
そして、すばる君の体からぴょん!と勢いよく昔話に出てくるような、
 膝丈の短い着物?浴衣?を来た2~3歳くらいの鼻たれ小僧が出てきて、
ぐるぐる狭い室内を走り回る。 

うわぁ、これがすばる君か。こんなに幼いんじゃ、仕方が無いなーって
素直に納得してしまうくらい、幼すぎるやんちゃ坊主で。 
ここまで書くと、娘さんがひなちゃんで、ガキっちょがすばる君だって
思って無かったら、完全なホラーだから(笑)。

普通にこえーよ?
狭い見送りの白壁の部屋で、着物着た娘さんと童子が出てくるんよ?
まぁ、絵空事として読んでくだされw 

そして、娘さんが言うんです。 「この子は修行させます」って。
そりゃそうだよね、幼すぎる。
あぁでも、ひなちゃんはすばる君をあんなに嫌っていたのに、
最期はこうして迎えに来てくれたんだねって頭の中で考えていたら、
ひなちゃん?は、満面の笑顔で頷いて、きりっと向き直り、
走り回る小僧をどう料理してくれようか!って頼もしい表情にw 

部屋の床半分は花に覆われた大地と繋がってて、
ひなちゃんは 小僧の手を引いて青空の中へ消えて行きました。
本当に数分の出来事だったけど、何故か温かなものが残っていました。 

旦那さんにも正直にその事を伝えると、
今度こそ(強調)、
人懐こい猫で生れて来ると良いねって。 

ほんとーーーーーに、そうだよね。
すばる君のような、人が苦手なのにでも甘えたくて、甘え方が少し変態ぽくてw
いやだって、座っている人の足にだけすりすりゴロゴロして、
足で弄るとよだれをダラーっと垂らしながら喜んでw
ブラッシングすると、もっとよだれを垂らしてぐるにゃんぐるにゃんw
これって、変態やん(苦笑)。

なのに普段は逃げる。
こんな不器用なにゃんこは、すばる君だけ! 
一桁年代の時から、にゃんこと暮らしてきた私や旦那さんでも、
「こんな猫はじめて」と言わしめた個性派にゃんこ。
そして真っ白で、人一倍美しかった王子様。


 今はゆっくりおやすみなさい。

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